Aki-Ra-Di,Aki-Ra-Da

Session IPA

今年の「AKIRA」ホップは青々としていて、ライムのように緑色の柑橘類を想わせるシトラス風味のフレッシュさと、芝生のようなグラッシーさが特徴です。今年のSession IPAは、それを教えてくれました。

「AKIRA」は上富良野で私たちのホップを育ててくれているホップ農家です。彼は「ホップは農産物なので、来年も同じようになるとは限らないよ。」と常々語っています。実際に、同じ品種といっても、大きさや香りは毎年それぞれの違いがあります。その違いを明らかにするために、私たちはSession IPAというスタイルが「繊細」ながらも、ホップの特徴が強くないと「物足りなくなってしまう」ため、新しいホップを試すには「誤魔化しが効かない」最適のスタイルだと考えています。昨年は【AKIRA In The KF -Session IPA-】という名前で皆様には上富良野カスケードの味わいを楽しんでいただきました。その年、その年の違いを見極めて、定番ビールではお馴染みの味わいを再現し続け、限定ビールではその違いの面白さを伝えられるように作り分けていくことが我々ブルワーの使命であり、腕の見せ所でもあると考えています。

今年の上富良野産カスケードは、ライムのような柑橘感があり、特徴が強すぎないため多くのスタイルで使用していくことができる期待感を持ちました。一方で、青々としたグラッシーなフレーバーが例年よりも強く、さらにIPAなどの派手なスタイルで使用するには柑橘感がやや物足りないということが分かりました。よって、このビールでは、2021年産上富良野カスケードをビタリングとドライホッピングのそれぞれ1回目で使用しましたが、2回目のドライホッピングではシトラスフレーバーの強い2020年産上富良野カスケードを使用して全体を整えました。このように、ビールに足りない部分を自社のホップで補えるようになってきたことに、ブルワリーとしての成長を見ています。

今年のホップは特に、定番ピルスナーの【upopo-ウポポ-】にはとても相性が良いのではないかと期待しています。定番ペールエールの【nonno-ノンノ-】では冷凍保管している2020年産上富良野カスケードがしばらく活躍してくれそうです。今後は新品種なども加わる予定で、年数の違いだけではなく、品種の違いもお魅せできるようになると思います。毎年、新米が出回るこの季節に、新米の「AKIRA」もぜひ試してみてください。

ABV
5.0
IBU
58