風雲児

New England IPA

特別なときにしか仕込んでこなかったNew Engaland IPAですが、今回はリスクのあるチャレンジに挑みたかったため、再びこのビアスタイルに挑みました。過去に採用したものの濁りを発生させられなかった因縁の酵母株を再度使いました。ニュートラルなフレーバーの汎用エール酵母で、多くはベルジャンエールやトラピストタイプのビールに使用されてきたため、Belgian Ale酵母と呼ばれていた株です。私たちが確立した濁りのメソッドを用いれば、酵母の特性に依存せずに、持続的な濁りを発生させられるのではないかという証明への挑戦でした。結果はご覧の通りです。これまで、あまり注目していなかった酵母ですが、これからは活躍のチャンスが増えることでしょう。ポピュラーなニューイングランド用の酵母で醸すよりも、ドライ目な仕上がりで、飲み疲れのしにくい柑橘系のフレッシュジュースのようなヘイジーになりました。今回も、全体のホップの4割程度は地元上富良野町産ホップを使用しています。さらに、グレープフルーツやマスカットなどのフレーバーを持つフレーバーのホップを組み合わせて、果汁を搾ったかのような味わいを完成させました。最後に、ドーピングとして「未来のドライホッピング」と称される革新的なホップオイルを溶け込ませています。引き算の美学を持つ忽布古丹醸造らしからぬホップの追加量。これは単なる足し算ではありません。持続的な濁りは乳化の役割を持ち、ドライホッピングにより追加したホップオイルを閉じ込めています。これは言わば「確変状態」です。掛け算的なフレーバーの強化に成功できたのではないでしょうか。「濁りの証明」と「掛け算的なフレーバー強化」をテーマに仕込んだNew Engaland IPAです。是非、フレッシュなうちにご賞味ください。

ABV
7.0
IBU
30