Prima donna

Italian Pilsner

このビアスタイルを説明する最も簡易的な表現は「ジャーマンピルスナー+ドライホッピング」です。ドライホッピングと言っても、アメリカンスタイルのIPAのように強いホップのフレーバーを引き出すものではなく、イギリスの醸造技術である「イングリッシュ・カスク・ドライホッピング」という樽の中に少量のノーブルホップを投入する手法を基にしています。昨今のIPAの醸造に慣れているブルワーには、このドライホップがあまりに少量過ぎて不安になってしまうことでしょう。ですが、追加は禁物です。イタリアンピルスナーは発酵中と発酵終期に少量のドライホッピングを行なうため、ホップの成分が酵母によって生体内変化されていると言われており、ホップのペレットを嗅いだ以上の上品で華やかな香りが立ち昇ります。また、ラガービールにしてはやや発酵温度が高めの11℃で活発な生体内変化を促進させています。パンのようなモルトの柔らかい味わいに、豊かで穏やかなハーバルな味わいが溶け込んでいるのが特徴です。元祖イタリアンピルスナーの銘柄のレシピを参考に、忽布古丹醸造が確立してきたラガー醸造のメソッドでこのビアスタイルに挑みました。Saphir(サフィア)というこのビアスタイルで特に強い魅力を放つホップ品種をメインで使用しています。ノーブル、フローラル、レモングラス、コショウなどの複雑なフレーバーがあります。しかしながら、言葉以上に、感覚として他のピルスナーと比べて、あきらかに異質な華やかさがあることに誰もが気づくことでしょう。ジャーマンピルスナーや他のラガーには存在しえなかった圧倒的なノーブルホップのキャラクターと、酵母によるホップ成分の生体内変化によるレモンティーのような紅茶感とタンジェリンなどの柑橘を想わせるフレーバーを、言葉ではなく味覚・嗅覚で感じて頂きたいです。

ABV
5.0
IBU
32