ようやく皆さんに2020年上富良野産ホップの初仕込みビールをお届けできます。こちらはペールラガーです。あらためて、私たちの取り組みを説明しますと、忽布古丹醸造は日本で唯一、秋に収穫される地元産ホップをただちに乾燥させ、ペレットという固形の状態に加工し、保存性や使用効率を高めることで、年中変わらぬ品質・美味しさで定番ビールを作っている醸造所であり、地のものに強いこだわりを持っています。上富良野町という忽布(ホップ)の古丹(集落)に醸造所を置いているからこそ実現できる「こだわり」であり、日々この恵まれた環境に感謝しているところであります。
私たちは、毎年表情の違いを見せるホップという農作物を愛し、醸造士としてその特徴を見極め、知識と技術を磨き、最終的に酵母の力を借りて、「ビール」という醸造物を醸しております。さて、2020年産のホップの表情はと言うと、昨年と比較にならないほど柑橘系の香りも味わいも強く、様々な用途に可能性を秘めていることが分かりました。このペールラガーは少し強めのアルコール度数と、大手のプレミアムラガー並みの低い苦味設計で、リッチ且つ親しみやすい味わいの設計にいたしました。はじめは、少し強めの炭酸と、ドライな清涼感が口の中に瞬く間に押し寄せます。モルトのビスケット風のほのか甘みが後から追いかけてきて、続いて、優しい柑橘の余韻が舌と鼻に運ばれます。忽ちグラスの中は空になっていることでしょう。ラガーの清涼感と上富良野ホップの柑橘感は非常に息の合った組み合わせであることをあらためて実感しました。このビールをベースとして、2020年産の上富良野産ホップを使った新しい定番のupopoが近々産まれようとしています。毎年変わる「ホップの表情」をお楽しみ頂きたいと願っております。胸が躍るような2020年産上富良野ホップの躍動に乾杯をしましょう!
- ABV
- 5.5
- IBU
- 20