番狂わせ

Southern English Brown Ale

一般的に、Brown Aleは地味で退屈なビールという印象を持っている方がいるかもしれません。たしかに、クラフトビールシーンを熱狂させるほどのエネルギーは秘めていないのかもしれません。しかし、これらのビアスタイルは過度なビールに対してのカウンター的なポジションに立つことができ、疲弊したビール飲みたちのオアシスとしての存在感を強めていくのではないかと考えています。一口にBrown Aleと言っても様々な小区分が存在し、以前は英国北部のドライでナッツ味な【茶番劇-Northern English Brwon Ale-】を作りましたが、今回は「London Brown Ale」とも呼ばれる「Southern English Brown Ale」を仕込みました。世界的に、Southern English Brown Aleというビアスタイルは絶滅の危機にあるようです。故に、多くの方にとって未体験のビールである可能性が高いと言えます。特筆すべき特徴は、低アルコールで、優しく適度な炭酸感と、甘くてモルティーなBrown Aleであるということです。他には、キャラメル、コーヒーの複雑なモルトフレーバーを持ち合わせます。正直に申し上げると、ホップのアロマやフレーバーはほとんど存在しません。麦芽の風味を愉しむビールと言っても過言ではありません。ビアスタイルとしては、スイートスタウトの優しいバージョンか、またはダークマイルドエールの甘いバージョンのようにも解釈できます。厚めのパイントグラスに並々注いで、ゆるゆる、だらだらと飲んでいたい、そんなリラクゼーション系のビールになったのではないでしょうか。

ABV
3.5%
IBU
18