遡ること、ブルワリーの稼働前。プロトタイプとしてNiseko Brewing とコラボ醸造したIPL【CLOSE ENCOUNTER 接近遭遇】から私たちのこのスタイルへの挑戦は始まっていました。我々は、IPLというスタイルの存在意義についての理解を深めると同時に、IPLにおける特有の課題や難しさに直面しておりました。この課題について詳しく知りたいマニアックな方は、お店やイベントで居合わせた時にでも醸造士に質問してください。話せば長くなります。本題に戻りますが、この手強いIPLの課題を解決してくれたのは、革新的なホップ加工品であるCRYO HOP(クライオホップ)でした。これは、従来のホップ加工品であるホップペレットをさらに濃縮したものです。この新製品の使用は、大きなブレイクスルーと、鮮烈なホップの味わいをもたらしました。このように、私たちは時として、原材料の供給元などの技術革新の恩恵に力を借りながら、理想とする味わいを具現化するために、新しいものを取り込みます。ホップは、Equanot(エクアノット)というお気に入りの品種のシングルホップで、通常のEquanotペレットと、Equanot CRYO の二形態を使い分けました。搾りたてのフレッシュなレモン、ライムに似た果実のフレーバーは非常に冴えていて、人によってはダンクな雰囲気も感じられることでしょう。品のある綺麗なビター感が舌を引き締めてくれて、飽きることを許さないフィニッシュ。さらには、ラガーらしいクリーンな仕上がりと、キレのある味わいは健在で、私たちはここに、IPLというスタイルの市民権を見出しています。抜群にドライで、キレキレで、ホップが主張的なIPLの誕生には、さすがの王者IPAも少しは冷やりとすることでしょう。IPAの首を虎視眈々と狙うIPLが産声をあげました。
- ABV
- 6.5
- IBU
- 62