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忽布古丹醸造のアルコール度数の最高値が更新されました。Belgian Quadrupel(=ベルジャン・クアドルペル)は、略してBelgian Quad(=ベルジャン・クワッド)とも呼ばれます。このスタイルのルーツは、トラピスト(修道院)で僧侶が醸造していたものに由来しますが詳しい説明は割愛します。歴史が苦手な方でも、ビールにまつわる歴史であれば面白く感じられるかもしれません。ご興味のある方は是非調べてみてください。
外観は深いバーガンディの色合いと、ややクリーム色の泡立ち。レーズンやイチジクのようなダークフルーツのフレーバーと、酵母が吐き出すエステル香は洋ナシのようでもあります。人によっては印刷したばかりのインクの匂いを連想するかもしれません。知覚される甘さとは裏腹に、意外と残糖は少なく、爽やかな炭酸とともにドライにフィニッシュします。どれくらい残糖が少ないのかというと、一般的なピルスナーほどの糖度とお伝えしておきます。甘さにまつわる指標が糖度だけではないことがハッキリとわかることでしょう。本場のスタイルではブラウンシュガーなどの砂糖が使われますが、忽布古丹醸造のアレンジとして、黒糖を代用しています。本当にこの黒糖が美味しくて、ブルワーたちは何度もつまみ食いをしました。黒糖の使用は、ユニークな複雑性をもたらしてくれました。さらに、ドライな味わいへの調整と、過去最高値のハイアルコールを達成するために、麦芽糖も使用するなど、既成のレシピや固定観念に捕われない、自由で、極端なビールになったと思います。宗教に関連付けられていない、現代的な解釈で醸された味わいの、いわばジェネリックでモダンなBelgian Quadrupelは、12%のハイアルコールがもたらす酩酊感も相まって、退廃的、情緒的な気持ちを引き出してしまう魅惑の液体となりました。