思い描いたのは「大人のハチミツレモン」。低アルコールで、柑橘果汁のような爽やかな酸味、ほんのりと優しいハチミツを想わせる甘みと、清々しいほど気持ちの良いビター感。そんな清涼飲料にも似た軽やかな飲み心地のSession IPLをつくりました。すべてを明かすことはできないのですが、淡色のベースモルトで全体の色みを抑えつつ、ハニーモルトという焙煎度合いの高い麦芽を使用して、まさにハチミツらしい甘さを演出しています。また、柑橘のホップをメインに使いながらも、バブルガムやマンゴーそしてバニラのようなトロピカルな特徴を持つホップも配合し、いくつものギミックでこの味わいを支えています。
Session IPLは酔いを気にすることなく、軽やかな喉越しやホップの華やかな風味を楽しめる一方、あらゆるオフフレーバーが顕在化しやすく、実は技術的に難しく、私たちを神経質にさせるスタイルの1つです。実際に、いくつかの課題が解決されるまではこのビールを仕込むことは躊躇われていました。しかしながら、他のスタイルでの実験的な試みや、忽布古丹醸造的手法を確立したことにより、今こうして約１年半ぶりにSession IPLを皆さんにお届けできることになりました。
駆けつけ１杯でも、〆の１杯でも、時間やタイミングを選ばないSession IPLがここに完成しました。