目が覚めるような酸っぱさ。苦味はグレープフルーツの白皮の部分くらいと言えば想像がしやすいかもしれません。余韻にマンゴーやパイナップルのようなほのかな甘さ。自社で培養した乳酸菌を使用し、発酵タンクではなく、仕込釜で麦汁を乳酸発酵させています。充分な酸味が確認されたら、通常は天敵である乳酸菌の出番は終わりとなります。仕込釜で充分に加熱殺菌して乳酸菌はお役御免です。ここからは発酵タンクに麦汁を移して、通常通りビール酵母が酸っぱい麦汁のバトンを引き継いで発酵を行います。つまり、二重発酵を行なう手間のかかるビールなので、あまり高い頻度では作れていません。私たちは今回、このケトルサワーリングという手法を用いて、果実を使わずして、搾りたての柑橘ジュースのようなフレッシュな果実感を水、麦芽、ホップ、そして乳酸菌と酵母だけで表現できるのではないかとイマジネーションを働かせてみました。白皮の部分に食い込むほど強めに搾ったレモンやグレープフルーツのごとく苦い、甘い、酸っぱい果汁感が再現できています。その酸味のカウンターとして、トロピカルなホップで甘みを際立たせてみましたが、やはり酸っぱいは酸っぱいです。酸っぱいビールが好きな人にも満足いただける酸味になったと思います。サワービールという無限の可能性があるビアスタイルのユニークな一面を再確認しました。今回は過去最少の生産量で、僅かな在庫しかご用意できておりません。お見かけの際はぜひお試しください。
- ABV
- 6.0
- IBU
- 35