超少量生産のRussian Imperial Stoutをご案内します。ハイアルな夜もいいのさって思える仕上がりです。実は私たちの醸造所を構える上富良野町では、ホップよりも甜菜[テンサイ](別称:サトウダイコン、ビート)の栽培の方が盛んに行われています。ホップの収穫から約1ヶ月後の10月頃から12月頃にかけて、甜菜農家さんは忙しなく収穫機械を動かし、製糖工場へと甜菜を運ぶトラックは、ブルワリーの近くの農家さんのところにも頻繁に往来しています。この時期、この周辺の畑の隅に積み上げられている大根みたいなのは何だろうと思っていましたが、それが甜菜でした。そんな甜菜は、サトウキビと並んで砂糖の主要原料であり、ビールに少量だけ使用するとスッキリとした清涼な味わいをもたらしてくれます。今回は、通常は重厚な味わいが特徴のRussian Imperial Stoutに甜菜由来の糖を使用したことで、意外にもスッキリと飲めてしまう「罪なインペリアルスタウト」を作ってしまいました。ボディは定義から外れない程度にちゃんと残しつつ、限界まで発酵を進めて、スッキリな設計にしました。それでも、チョコレートやカカオのような香ばしさ、バニラやハチミツのようなとろりとした甘さは充分に感じられ、アルコール度数9%の熱さに乗って、リッチな気分にさせてくれます。チビチビと飲みながら夜更かししたいときにピッタリです。このインペリアルスタウトは木樽熟成も行っています。皆さんにお披露目できるのは何年先か分かりませんが、これから待っている世界、僕らの胸も躍らされます。
- ABV
- 9.0
- IBU
- 58