忽布古丹醸造のFREEDOMSでもない、ORIGINALSでもない、でもORIGINALSにも近い新しいブランド「ORIGINALS +(プラス)」の第一弾は、これがおそらく日本史上初となる「純国産IPA」として産声をあげます。
ORIGINALS +では今後、縁やゆかりのある道産の様々な原材料にスポットを当てて、私たち自身が愛着を持ち、お客様にも毎年その季節を待ち遠しく思って頂けるようなシーズナルビールを作っていきます。
さて、第一弾の【epitta-エピッタ-】はまさにORIGINALS+というブランドを体現するかのような「道産子」がキーワードのビールです。中標津産の大麦と上富良野産ホップを使って、ありそうでなかった純国産IPAの製造に挑みました。故に、名前はアイヌ語で「すべて、全部」を意味する「epitta」と名付けられています。
中標津産大麦を使ったモルトはこれまでも【道産子SMaSH】という銘柄で使ってきましたが、これまでになくモルトの主張が強く、やや燻製のような香ばしさ、スパイシーなエッジ、豊かな穀物感を持った印象です。また、タンパク質含有が多いため、リッチで滑らかな泡が形成されます。まさに、Terroir(テロワール:意味「風土、土地の個性」)が色濃く映し出されたIPAになったのではないでしょうか。
一方、2020年産の上富良野産カスケードホップは創業以来、過去最高の品質とスペックで、シングルホップでも充分にビールを面白くしてくれる頼もしい存在です。今回も贅沢な量のドライホッピングを施し、カスケードホップのオレンジっぽさが、モルトのスパイシー感と合わさって、オレンジキュラソーのようなフレーバーを醸し出しています。
大麦も、ホップも、農産物であり、当然のごとくその年々の違いが現れます。その違いを「エラー」として捉えるのではなく、「個性」として受け入れて、私たちはそれをビールに落とし込んでいきたいと考えています。特に価格や生産量などの面で、多くの課題が残るビールの国産原料ですが、サプライヤーと持続的な関係を築き、地元の産業を守り、顔の知っている仲間から授かった愛着のある原材料でビールを醸す喜びを、この【epitta-エピッタ-】を皮切りに、ビールをこよなく愛する人たちと分かち合っていきたいと願います。