アメリカの醸造協会は近頃、2021年のビールスタイルガイドラインに、ニュージーランドスタイルのペールエールと、ニュージーランドスタイルのインディアペールエール追加することを発表しました。続々と国内ブルワリーもこのスタイルに挑戦していくのではないでしょうか。では、忽布古丹醸造はどうかというと、普段は忠実にスタイルを再現することの方が多い私たちですが、今回は忽布古丹醸造の得意なラガーでこのスタイルに挑むことに決めました。ラガーと言わなければ分からないくらい、ヘイジーな見た目、トロピカルでシトラスな南国系果実のフレーバーと白ぶどうのニュアンス、そしてスムースな口当たりと、ラガーのイメージを全て覆すような破天荒な仕上がりになりました。ラガーは発酵管理が難しく、失敗の確率がエールに比べて幾分高く、尚且つドライホッピング由来のオフフレーバーにも直面しやすいという特有の問題を抱えながらも、自分たちのメソッドとセオリーを信じ、躊躇なくドライホッピングを行いました。大変恵まれたことに、本当に状態の良いNZ産「ネルソンソーヴィン」と「ワカツ」が手に入ったため、ニュージーランドのネルソン地方から追い風が吹いたかのようでした。失敗の許されない緊張感の中、日々の発酵管理に注意を払い、このスタイルの醍醐味であるニュージーランドホップの特徴を存分に引き出しました。ニュージーランド産ホップの特徴を知らなかった方でも、この一杯でその魅力に触れることができる仕上がりになったのではないでしょうか。グラス一杯の間だけですが、晴れわたるネルソン地方へのデイトリップ(日帰り旅行)にご招待いたします。
- ABV
- 5.5
- IBU
- 28