夜もすがら

Session IPA

夜な夜な友人と語り合いながら、あるいは一人で物思いに耽ながら飲むのにふさわしいSession IPAになりました。低アルコールのSession IPAは、程よい具合に、飲む人の心を解きほぐしてくれることでしょう。
Sessionとは言っても、IPAと名乗る以上、求められるのは、やはりホップのキャラクターの強さと苦みのバランスかと思います。そんな中、今回選んだホップは、数々の最高峰のIPAを生み出してきたSimcoe(シムコ―)です。Simcoeといえば様々な表情を見せるホップですが、今回手に入ったものは特に、パイナップルやオレンジに似た果実のフルーティーさが強く、次点で松や緑茶のようなエッジがあり、これまで使ってきたものと比べても、非常に品質の高いロットに出会えたと思います。ホップは農産物であるため、良い時もあれば、当然悪い時もあります。それを見極めることも醸造士の仕事になります。今回はソロでこのビールを託すのに充分なクオリティだったと言えます。綺麗な苦味は余韻にかけて、儚くもスーッと消えていきます。また、それを追いかけるように、杯が止まらないことでしょう。「気持ち良さ」さえ覚える苦みと表現したいところです。そのうえ、パイントで飲んでも、お代わりをしても、歯止めが利かないドリンカビリティになりました。これはもはや不可抗力です。夜が終わりを迎えるまで飲むと言うのでしたら、このSession IPAがお供をいたしましょう。

ABV
4.5
IBU
40