埼玉、浦和の常設店『BEERNOVA URAWA』様の3周年記念IPAです。わざわざ毎年、上富良野まで足を運んで頂き、最初から最後まで仕込みのお手伝いをしていただいております。恒例となっているテーマは「日常」。1回目は文字通り「日常IPA」、2回目はコロナによって多くの制限を強いられた日常だったため「新しい日常IPA」と名付けられました。日常というものが普遍的ではなく、尊いものだということがこの約３年で、多くの人の心の中に刻まれた今だからこそ、より一層「日常」というテーマの価値を、今一度考え直すきっかけとなりました。ややオールドファッションと思われるかもしれませんが、2014年以前に流行った典型的なAmerican IPAをイメージして作りました。いわゆる「C系ホップ」と呼ばれる柑橘のキャラクターを持つ3種のホップをドライホッピングしました。柑橘やパイニー（松脂）らしさをもたらすChinookはこの手のIPAにエッジを効かせるうえでは外せない要素です。また、一時代を築き上げたと言っても過言ではないCascadeは、オーナーかまくら様のご要望もあって、上富良野産で最も柑橘のキャラクターの強い2020年物を使用しました。3種類目はCitra。旧世界のIPAでも、新世界のIPAでも重宝されているトロピカルなホップで、柑橘のキャラクターも併せ持つ頼もしいホップです。例によって例のごとく、パイニーで、シトラスビターなフレーバーと、程良いカラメル感がビター＆ジューシーを際立たせました。王道たる設計のAmerican IPAとなりましたが、昨年のIPA以上に時代を遡った、どこか懐かしい味わいのIPAになったと思います。どんな世情の中でも、「この味」「あの味」というものは、尊い日常を思い出させてくれるはずです。毎日の食事と同じように、ありふれたことを「日常茶飯」と言いますが、このIPAも皆様にとって、身近で親しみやすいお酒となることを願ってこの名をオーナーのかまくら様から頂きました。コロナに苦しめられながらも、ピンチをチャンスと捉えて、前向きに前進し続けたBEERNOVA URAWA様の３周年をお祝いいたしましょう！乾杯！