札幌の常設店『炉端 酒 勿ノ論』様の1周年を記念して仕込んだのは、一風変わったセゾンです。1周年おめでとうございます!先方からのご提案でエスニック料理などに使用される「バイマックル」を使ったセゾンのレシピを考案しました。バイマックルは「コブミカンの葉」を意味します。コブミカンは、タイ、マレーシア原産の柑橘類の仲間で、古くから果皮も葉もハーブとして、グリーンカレー、トムヤムクンなどのタイ料理で重宝されてきた果物です。緑色の果実と枝にトゲがあることが特徴で、こぶのようにデコボコとした見た目から、「コブミカン」と呼ばれています。その葉っぱであるバイマックルについてもエキゾチックで、強い柑橘の芳香を持っていることから、今回はこの素材を主役に据え置いたセゾンの仕込みに、期待を膨らませて挑みました。IPAなどで使用するホップの量と同じくらいの大量のバイマックルをセゾンに2週間も浸け込みました。レモングラス、ライムなどの爽やかな柑橘のフレーバーに加えて、パクチーなどの香草のような独特の癖が引き出されました。また、セゾンにしては少し酸味が強く、エスニック料理や、パクチーを使った料理との相性は抜群だと思います。しかしながら、それらの料理やパクチーが苦手な人には不向きのビールかもしれませんので予めご注意ください。ボディは非常にドライで、サッパリとしているため、これから気温が上がっていくとより美味しく飲めることでしょう。さらに、飲み頃がいつになるかは「神のみぞ知る」としか言いようがありませんが、瓶内二次発酵用に一部のビールを熟成させております。こちらは、また1年先、そのまた1年先の楽しみにとっておきましょう。東南アジアを感じるオリエンタルセゾンはいかがでしょうか。
- ABV
- 5.5
- IBU
- 18