過酷な仕込みを伴うため、年に1度しか仕込めない(仕込みたくない)、超ホームラン級のDouble IPAを作りました。過去最大量の上富良野産ホップを使って、IBU 150を達成した今回のビールは創業以来280種類以上作ってきた銘柄の中でも、最も高いIBUを誇ります。このIPAに使っているメインのホップは、かつて世界を席巻したCascadeというホップ品種です。私たちの上富良野産ホップの大半を占めている品種でもあります。今では時代遅れのホップの象徴のような立ち位置になってしまいましたが、私たちはこの品種の限界をまだまだ引き出せていないのではないかと自問自答し、自分たちの使い方を見直すことで、このホップの魅力を再確認できる機会となりました。助っ人外国人枠として、「Cascade on Steroids」とも呼ばれるSimcoeの長打力に頼りましたが、それでも90%以上は上富良野産ホップが占めています。スターティングメンバーは、19年産Kamifu-Cascade、20年産Kamifu-Cascade、21年産Kamifu-Cascade、21年産Kamifu-Willamette、21年産Kamifu-新種ホップ、そして、20年産Simcoe Cryo Hopの以上6種。今回で在庫が無くなってしまい、引退のホップも何種かありますが、文字通りオールスターズなDouble IPAが完成いたしました。IBU 150を誇る苦味は、構えて相対すると、口に含んだ瞬間はそれを感じさせないクリーンな苦味で、警戒感が空を切るかもしれません。ところがチェンジアップのごとく、タイミングを外された後に、時間差で押し寄せてくる苦味が無情にも舌に染み込んでいきます。それは、オレンジやグレープフルーツの白い皮や、果皮まで齧ったかのようなシトラスビターで、終始パンチとエッジを感じながら強力な苦みを愉しむことができます。8.5%のアルコール度数も、数値ほど強くは感じられませんが、飲み干した頃にはそこそこに効いていることでしょう。Cascadeホップを主体としたビターオレンジのような強烈なフレーバーは、AKIRAと私たちの全力フルスイングとも言えます。ほとんど上富良野産ホップで醸したド直球なDouble IPAをお楽しみください。上富良野産ホップはここまできた!
- ABV
- 8.5
- IBU
- 150