約1年ぶりにHazy Lagerが完成しました。前回のHazy Lager仕込みでは、酵母を投入する直前で、不幸な外因トラブルが発生し、Kveik酵母に切り替える選択をしたということは私たちの記憶には新しい出来事です。時を戻したい気持ちに駆られましたが、軌道修正ののちに仕上がった【行雲流水-Nordic IPA】は大変多くの反響を頂き、不幸中の幸いとも言えました。実はこの[Hazy Lager]というビアスタイルは原材料の進歩や進化によって姿を変えていく性質を持っていると私たちは推察しています。説明が長くなるので割愛いたしますが、特にラガー酵母を用いてドライホッピングをするビールにおいて、ホップの葉の部分に含まれる酵素に由来するホップクリープというオフフレーバーの問題やリスクは切っても切り離せません。近年では、ホップの葉の部分を約半分取り除いた濃縮ホップが多用されてきており、それらの問題の解決の糸口になりつつあります。今後は葉の部分を一切含まないホップオイルやホップテルペンなどのブレイクスルーがこのビアスタイルをさらに進化させてくれることでしょう。革命前夜の、最後のあがきになるかもしれない旧アイテムでのHazy Lagerへの挑戦がこのビールです。見た目はしっかりヘイジーながらも、味わいは意外とライムやグラッシーが主張的で、トロピカルは少しシャイ気味。このギャップには賛否があるかもしれません。トロピカルで甘々としたHazy IPAに疲れてしまったビール愛好家の皆さんへの新しい提案となれば嬉しいです。最後にサプライズですが、このビールは重量換算で約半分強を上富良野産カスケードで賄っております。シトラス感も濁りも上富良野産カスケードがもたらしています。私たちにしかできない方法で挑んだHazy Lagerです。微炭酸で、ライム、グレープフルーツ、青々とした芝のようなシトラス感とグラッシー感をお楽しみください。
- ABV
- 6.5
- IBU
- 20