私たちの上富良野町産ホップと、中標津クラフトモルティングジャパン株式会社の麦芽(モルト)を使用した「100%国産」、「100%北海道産」の生粋のラガーを「Hokkaido Pure Lager」と銘打ちました。中標津町産麦芽の濃くて、スパイシーな味わいを最大限に活かすために、忽布古丹醸造では本来は困難な手法である「デコクション」と呼ばれる伝統的な技術を用いて、濃醇・芳醇な味わいを引き出しました。参考にしたのはチェコのボヘミアンスタイルのピルスナーです。モルトの豊かな味わいと、ホップのしっかりとした苦みが特徴のビアスタイルです。今回は、べっこう飴、メープル、キャラメルなどの香ばしい甘みのある味わいを存分に引き出しつつも、ドライなボディと、エッジの効いた苦みがバランスを取ったリッチ感のあるラガーを表現しました。日本のビールシーンにおける国産原料の使用割合は、ほとんど100%を海外産に頼っているというのが現状です。豊かな自然、恵まれたな面積、適した気候を有していながら国産ビール原材料が衰退していったのは「為替」や海外の「規模の経済」による価格競争に負けてしまった、頼りすぎてしまったというところに原因を認めないことには前に進むことができません。昨今の円安、海外有事、気候変動により、今まで安く仕入れていた海外産のビール原材料も「原材料価格高騰」の影響を受け、私たちも含めてビールの値上げをせざるを得ない状況に陥っているというのが日本のビールシーンの問題となっています。この問題を解決していくには、失われつつある「国産ビール原材料」に本気で向き合う他はないのではないでしょうか。立ちすくみそうなほどに大きな壁、そして大きな問題と向き合っていますが、私たちには北海道を開拓した先駆者たちの「開拓者精神」が宿っています。上富良野町のホップ農家、忽布古丹醸造、中標津クラフトモルティングジャパンの「拘り」と「希望」を込めた渾身のラガーをご賞味ください。
- ABV
- 6.0
- IBU
- 40