今回はアメリカ産のEkuanot(エクアノット)ホップをメインで使用したDouble IPAです。このホップは、ライム、洋ナシ、リンゴのようなフルーツのフレーバーと、ピーマンのような青みのある癖が特徴のユニークなホップです。アルコール度数は8.5%と高く、80 IBUの数値を誇る苦みも伊達ではありません。苦みは時間の経過とともに減少していくので、しっかりとしたシトラスビター感を楽しみたい方は賞味期限の範囲内であっても早めにお召し上がりください。アルコール度数が高い分、可能な限りドライに仕上げて、パイントで飲んでも飽きない設計を目指しました。糖類を添加することにより、ハイアルコールビールで陥りがちなアミノ酸が過多になるのを避けました。ハイアルコールということは、その分だけモルトをたくさん使うということですから、当然のことながらアミノ酸の量も多くなり、旨味が過多になってしまいます。旨味たっぷりのDouble IPAも美味しいのですが、私たちが今の季節に望んでいるDouble IPAを考えると今回の設計が相応しいと考えました。実際にアルコール度数の割に、スッキリとした飲み口に感じられることでしょう。外観は、ゴールドからライトアンバーな色合いで、美しい輝きを放っています。Ekuanotホップのフレーバーと、モルトの香ばしいフレーバーが重なり、焼きリンゴや、洋ナシのタルトのようなスイーツのニュアンスが感じられます。最後は柑橘の白皮を何度も咀嚼したかのような強烈な苦み。最近のトロピカルなIPAのようにPOPな味わいではないし、低アルコールが求められる時代にこのアルコール度数は時代錯誤かもしれない。本当に全然媚びていない仕上がりですが、もうすぐ夏が終わり、夜が涼しくなってくると、より愛おしい存在になっていくことでしょう。
- ABV
- 8.5
- IBU
- 80