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epitta2023

国内の大手ビールメーカー、小規模クラフトブルワリー問わず、日本のビールシーンに数多ある銘柄のほとんど全てが海外産の原材料に依存していることをご存知でしょうか。大麦から麦芽への加工や、ホップのペレット加工は大規模な生産、高額な設備投資、専門的な知識やノウハウを必要とするため、容易に始められるものではありません。また、海外からの輸入する原材料は国産品よりも安く、品質も良いため、海外産の原材料を使うことが当たり前になってしまっているというのが日本のビールづくりの現在地です。私たちはローカルに根差したブルワリーでありたいと考える一方で、主要原材料である「麦芽」や「ホップ」のほとんどを海外産に依存していることへの後ろめたさや危機感のようなものを感じています。小さな一歩かもしれませんが、2021年から「純国産」の原材料にこだわり、中標津クラフトモルティングジャパンの大麦から製麦した麦芽と、上富良野町産ホップのみで醸造した【epitta-エピッタ-(アイヌ語で「すべて、全部」を意味する)】という名前の純国産IPAを誕生させました。私たち自身も驚いたことに、純国産IPAへの挑戦は私たちが国内で初めてでした。今年はその2023 Ver.のリリースです。海外産の原材料と比べると、様々な課題を抱えていますが、今まで誰もやってこなかったことに挑戦することへのロマンを感じています。過去の仕込みから得られた課題を一つずつクリアし、【epitta-エピッタ-】と私たちは成長を続けています。今年はよりクリーンなモルトのキャラクターと、フレッシュな柑橘感を達成できたと考えています。どんな原材料であっても、その特性を理解し、美味しいビールを作るのが我々の使命です。今年はドライで飲みやすいボディに軌道修正し、モルト由来のややスパイシーなエッジは去年と同じように現れました。上富良野町産ホップからはレモンやライムのようなフレッシュな柑橘感がTerroir(テロワール:意味「風土、土地の個性」)のごとく主張しています。国産原材料の価値をさらに高めていくために、サプライヤーと持続的な関係性を築き、地域の産業を守り、愛着のある原材料でビールを醸す喜びを、これからも噛み締めていきたいと考えています。それこそが本当の意味での「地ビール」であり、「クラフト」であり、地域に根差したビールづくりだと考えます。このビール【epitta-エピッタ-】を通じて、国産原材料への「関心」と「普及」に繋がっていくことを願っています。

ABV
7.0
IBU
65