忽布古丹醸造はExtra Cold IPLというマニアックなオリジナルビアスタイルを開発しました。これはWest Coast IPAというクリアネスでシトラスパイニーな特徴のビアスタイルから派生したCold IPAの進化系です。まず、Cold IPAについて説明すると、ラガー酵母(下面発酵酵母)あるいはケルシュ酵母(上面発酵酵母)という低温に耐性のある株を使ってクリーンな発酵を行ない、米やトウモロコシのような副原料を加えることでさらにクリアでスッキリとさせることで、よりホップの特徴が鮮明になるように作られた新しいビアスタイルです。このビアスタイルのややこしいのは、ラガー酵母を使ったとしても「Cold IPA」と名乗っている点であり、修正が必要なバグであると考えています。IPAの「A」はエール(上面発酵)を指しています。つまり、本来ラガー酵母を使用している場合は「IPL(India Pale Lager)」と名乗る方が自然であると私たちは解釈しています。私たちはこの「Cold IPA」と呼ばれていたものを「Cold IPL」と再定義したうえで、通常のラガー酵母の発酵温度よりもさらに低温の5℃(Extra Cold)で発酵させることによってこのビアスタイルの極致を目指しました。危険水域にも迫る超低温発酵により、酵母の発酵特性はポジティブに削がれて、ホップが際立つための澄み切った味わいのベースが仕上がりました。Cold IPAの重要なポイントである副原料の使用については、このビアスタイルを構成する大事な要素だと考えています。今回は、麦芽重量の16%超を旭川産うるち米と糖類を使うことでオールモルトとは異なるスッキリした味わいを達成しました。それに合わせたのは、お気に入りのアメリカンホップStrata(ストラタ)です。Strataをメインに、甘味を呈するフレーバーのホップを組み合わせましたが、過去最もドライに仕上げたラガーなので釣り合いは取れていることでしょう。チートアイテムの濃縮ホップとホップオイルまで使って達成したダンクでトロピカルなフレーバーは強烈です。難しいことは忘れて、ラガー酵母で超低温発酵&高い副原料比率で、バキバキにドライなボディと、突き刺さる鮮烈なホップのアタックをくらってください。
- ABV
- 7.5
- IBU
- 68