ビターはあまり日本ではなじみのないスタイルです。
しかしながら、エールビールの本場イギリスのパブでは、よく飲まれているスタイルです。ゴールドからダークグレーまで色々なビターがあります。一方、日本国内醸造のビターは褐色から茶色の色合い、若干カラメルが香るビールとして飲まれている場合が多い印象をうけます。特にゴールドのビターは国内でつくっている醸造所は珍しいといえるのではないでしょうか。今回は華やかな太陽の下で飲めるペールな(Pale) 色合いのビターを目標につくってみました。
まず色合いですが、先ほど述べたように、このビールは黄金色にやや褐色の雰囲気を帯びています。軽やかに飲めるようにアルコール度数は4.0%と低めに作っています。同じように飲みやすさを考え、苦みは低めにつくっております。アクセントとして、麦芽のクリスピー風味がビールの楽しさを伝えます。また、全体として軽やかに飲めるビールをということで、イギリス伝統のKent Goldingをドライホップして、軽やかなホップの香りを醸しています。ビターの飲みやすさと麦芽のクリスピー風味を残しつつ、ライトなビールに仕上げました。これらの風味が、太陽が輝く季節にグイグイと飲めるエールとして仕上がっております。
今回の名前は「holly cow」ですが、「holy cow」で「驚いた」という意味になります。この英語のフレーズを知らないと絶対に日本訳にできない英語です。ただ、今回は醸造に工夫を加えた状態なので、もう一つ捻って「holly」とセイヨウヒイラギとかけています。花言葉は「先見の明」や「将来の見通し」。すこし重たいスタイルのクラフトビールが多い昨今、違う方向の「驚きのあるビール」もまた面白いかもしれません。