一人当たりのビール消費量世界一の国、チェコ。ピルスナー発祥の地としても知られるビール王国です。そんなチェコビールの中でいぶし銀な輝きを見せているスタイルがあります。現地で「Polotmavý(ハーフダーク=半分暗い)」と呼ばれるそのスタイルこそ、このアンバーラガーです。
チェコアンバーラガーがどのようにして生まれたかは明らかにはなっていません。一つの説では、ウィーンのVienna Lagerがチェコに渡り、そのまま作り続けられたというものがあります。ビアスタイル自体はかなり自由度が高く、ドライなものから甘いカラメルの風味が強く出たもの、ホップの風味も全くないものから中程度までと、だいたいの枠組みはあっても多くのバリエーションが許容されています。
今回のチェコアンバーラガーは、Vienna Lager由来の説を推して、Viennaモルトをベースモルトの一部に使用しました。そのほか数種類のカラメルモルトと、さらに旨味成分をマシマシにするためにメラノイジンモルトを使用し、「ウィーン生まれチェコ育ち」の濃い口のラガーを目指しました。色味はアンバーラガーとしては少し薄めで、茶色を越えて赤みがかかるほどではないですが、口にすると見た目以上、想像以上の旨味の濃さが味わえます。
ホップには忽布古丹醸造オリジナル品種のホップ、上富良野産HKB001を100%使用。ノーブルホップのような落ち着いた香りと、わずかに葉巻のようなニュアンスが加わりました。複雑なモルトフレーバーを引き締めるクリーンな苦味も気持ちいいバランスです。
温度変化による香りや味わいの変化も楽しいビールになっています。冷えているときは旨味の濃いラガーで少しドライな感じもありますが、温度が上がるにつれてドライフルーツのような香りや、甘みが増していきます。ビールを片手に、秋の夜長をゆっくり楽しみましょう!
- ABV
- 5.0
- IBU
- 29