黄昏時のドンケル

Munchner Dunkel

「Dunkel」はドイツ語で「暗い、濃い」を意味します。定義上の色合いの幅は広く、ほぼ黒いものからライトブラウンなものまで、意外と範囲があります。
今回のレシピでは麦芽のトーストやビスケットを想わせる豊かな風味に焦点を当てたかったため、香ばしさが際立ちすぎないように、ビアカラーは夕暮れほどの色合いに留めました。私たちのレシピの中ではおそらく過去最多の5種類の麦芽を使用し、狙い通りの麦芽の旨味を表現できたと思います。
とはいえ、決して甘すぎるものではなく、ラガーらしくドライでありながらも、ほっとする懐かしい甘さ、言うなれば「べっこう飴」にも似た甘さと香ばしさを愉しめます。麦芽を主役とした構成ながらも、実はホップの使用量は伝統的なものと比べて少しばかり規格外で、一片のハーブと一搾りのレモンやライムの果汁を加えたように、少しだけフルーティーでハーバルな印象を加えるのに役立ち、エキストラに甘んじることなく、脇役として、地味すぎす目立ちすぎずの良い仕事をしてくれました。個人的には好きなスタイルですが、あまり作られていないスタイルの一つなので、どうしても飲みたくて自分で作ってしまいました。

ABV
5.5
IBU
35