風薫る

Hoppy Lager

今回はHoppy Lagerというスタイルになります。一般的なこのスタイルではホップの香りを最大限に立てるために、ラガーはシンプルにつくられます。ですが、今回はドイツのラガースタイルのなかでも骨太なドルトムンダーというビールをベースにしています。特有の硬水が生み出す、ドライな切れ味が魅力的な硬派なビアスタイルです。それは、クリスピーでライトでホッピーな、ごくごく飲めるビールも大好きだけど、もうちょっと飲みごたえがあったらどうなるんだろう?という好奇心でした。ホップに関しては、ビタリングに上富良野産カスケードを使用し、ベースとなる爽やかさと、ほんのりとしたグラッシーさを加えました。そしてアロマホップには甘くて華やかなホップを合わせて、「華やか×のみごたえ」を目指したいと思いました。そこでHBC630というホップを使用し、桃や赤いベリー、キャンディのような甘い香りを引き出しました。昨今のクラフトビール界からすれば、香りの強度は素晴らしくホッピーというわけではありません。しかし、甘やかな香りとモルトがバランスよく噛み合わさり、ドルトムンダーに新たな個性が与えられたように感じます。伝統的なラガーのよさ、現代的なホップのよさを共に味わえるこのバランスもまた、ユニークなのではないでしょうか。気温が上がってきたとはいえ、夏本番はまだ少し先。初夏の風を感じながら、ゆったり、まったり飲みたい。そんな時のビールとして適任だと思います。ぜひお試しください。

ABV
5.5
IBU
26