AKIRAがキラリ☆

Pilsner

9月に採れたばかりの2023年産の上富良野町産ホップをシングルで試してみました。使用したのはまだ正式名称の付いていない「HKB001」ホップです。忽布古丹醸造と圃場契約しているホップ農家が忽布古丹醸造のために交配してくれたオリジナルの品種です。当初はもっと多くの交配株がありましたが、毎年の選抜を繰り返して、最終的に生き残ったのがこの品種「HKB001」です。例年は「白桃」のようなキャラクターを見せていましたが、今年は突如として「タバコ」のような渋い一面が垣間見えるようになりました。この変化が「収穫年」によるものなのか、「品種」によるものなのか、あるいは他に理由があるのかは分かっていませんが、これはこれで当初想定していた以外の使い方ができるので私たちはポジティブに受け入れています。今回のレシピは定番HOP KOTAN ORIGINALSの【upopo-Pilsner-】と同じスペックにして、それぞれを比較することでそのキャラクターの真の姿を捉えるのが狙いでした。とは言え、スペックは同じといえど、アプローチや製法は異なります。むしろ、【upopo-Pilsner-】よりも美味しいPilsnerを作ってしまおうという意気込みでレシピを組んでみました。【upopo-Pilsner-】では通常行わないデコクション法という手法を用いて、麦芽のコクを強く引き出すアプローチを採りました。その分、手間はかかりますが、淡色なのに風味は芳醇なラガーを目指しました。また、麦芽にはCaramel Pilsという麦芽を一部配合しています。色合いにあまり影響のない淡色麦芽なのに、ビールにイチジクのようにフルーティーでコクのあるフレーバーや、豊かな泡持ちをもたらす特殊な麦芽です。実際に飲んでみた印象としては、洗練されたクリアな外観やのど越しはそのままに、【upopo-Pilsner-】よりも麦芽の穀物風味が強く表現できた印象があります。また、HKB001のタバコのような印象はそこまで主張的ではなく、ノーブルホップのように上品で気品のあるハーバルで、少しフルーティーな風味が鼻を抜けます。定番【upopo-Pilsner-】の立場を脅かすかもしれない、本家大元に負けず劣らずのPilsnerになったと思います。【upopo-Pilsner-】と飲み比べて、その違いをお楽しみください。

ABV
5.0
IBU
25