AKIRAの純真

Cascade Single Hop Session IPA

新しく収穫されたホップの試し打ちに選ぶビアスタイルはSession IPAが恒例となってきました。ホップの試し打ちにうってつけのSession IPAは、シンプルな麦芽の配合で、繊細且つライトなボディに設計し、ホップのキャラクターを丸裸にしてしまうのが狙いです。
同じ品種で、同じ畑で収穫されたホップと言っても、毎年毎年少しずつ違う表情を魅せてくれるのがホップの面白さであり、難しさでもあります。さて、収穫されたばかりの2022年今期の上富良野産Cascadeをシングルホップで仕込んだSession IPAはどのような仕上がりになったでしょうか。使用する前にホップペレットを嗅いだオレンジのような印象とは異なり、白ブドウやレモン、そしてややメロンのような瓜っぽさも感じられます。タバコの葉や茶葉のような渋みがわずかに感じられて、それが苦みとはまた違うエッジになっていて、複雑で面白い印象を持ちました。やはり、5年も同じ品種を使ってきましたが、同じものは1つとしてありませんでした。テロワールやドメーヌというと大袈裟に思われるかもしれませんが、実際に私たちは同じCascadeホップを年度や収穫した箇所で全く別のホップとして扱っており、用途によって使い分けることもしばしばあります。このような使い方ができるのも契約圃場で、ホップを管理してくれている農家のサポートがあってこそ成り立っています。感謝を忘れることなく、この環境でビールをつくるありがたみを噛み締めながら、また新しいホップでビールを醸していく日々が始まります。ピュアなCascadeがSession IPAを飾り付けそうに輝いている。

ABV
5.0
IBU
42