攻めの姿勢で、初めてのスタイルに挑戦しました。IBU 115を誇る過去最大のビタリングホップと、過去最大の上富良野産ホップのドライホッピングを携えて挑んだのは「ライIPA」です。ライ麦は頑丈で弾力性のある穀物です。そのスパイシーな黒胡椒のような風味は、何世紀にもわたってウイスキーやビールの原材料として高く評価されてきました。ライ麦の辛口なスパイシー感に対抗できる強い柑橘やハーブのフレーバーを備えた強いIPAは、お互いにお互いを引き立てあう関係性を持ちます。ライ麦由来のハード系パンのような穀物感と、胡椒のようにスパイシーな刺激に負けないように、途轍もない量のビタリングホップを仕込釜の中にぶち込みました。結果、途轍もない量の麦汁がホップに吸われてしまいました。創業から200仕込み目を目前に「思い切ったことやりたい」と試した代償は決して少なくなかったのですが、仕上がりについては大変満足のいくものができました。過去最大のIBU 115という数字は伊達ではなく、味蕾からじわじわとハードな苦みが入り込んできます。スパイシーでシトラスな柑橘感は通常のIPAでは愉しめないアイデンティティであり、この味わいにハマってしまった方は、あまり作られていないスタイルであるため、次に同じようなものに出会うのに一苦労することでしょう。上富良野産ホップによる容赦のない苦味、ライ麦由来の追撃のスパイシー感、最後にモルトからの少しばかりの甘い慈悲に思う存分浸ってください。
- ABV
- 7.0
- IBU
- 115