これまでも何度か使用してきたアメリカはニューメキシコ州の山岳地帯に自生するホップの亜種「ネオメキシカナス」に由来する系統のホップたち。そのどれもが野性的な力強い特徴を持っています。今回、シングルホップに抜擢した品種は、あの偉大なミュージシャンに敬意を込めて名付けられた「Zappa(ザッパ)」というホップです。エキゾチックとも言えるほど風変わりなフレーバーを持っており、ワイルド、コショウ、ハーバル、ダンク、緑茶、パッションフルーツなどの奇妙な記述が並びます。前評判を上回るクオリティーを示すことは容易ではありません。なぜなら、ホップサプライヤーは我が子を売り込むために、しばしば誇張的な表現をすることが多いからです。しかしながら、このホップ品種は、間違いなく他のホップと異なる魅力的なスペックを持っていることがすぐに分かりました。それもペレットホップを嗅いだだけで。実際に、コショウのようなスパイシー感と、緑茶のような葉っぱの青々としたフレーバー。緑茶っぽさはダンクにも近い性格を持っているように感じられます。ダンクは基本的には大麻っぽいと言われますが、日本人にはイメージが付きにくい表現ですね。マッチの焦げた匂いや、水分を含む植物を焼いた煙の匂いと表現する人もいます。トロピカル感はそこまで強くはありませんが、あきらかに従来のアメリカンピルスナーの概念を覆すかのような強いフレーバーがもたらされています。これは、私たちにとっても、皆さんにとっても、様々な可能性を想像させるきっかけになるのではないでしょうか。今後、おそらくセゾン、メキシカンラガー、IPAなど相性の良さそうなビアスアイルに多くのアクセントをもたらしてくれることでしょう。Zappaホップにより、Beast Mode(野獣化、無双状態)に入ったアメリカンピルスナーをお楽しみください。
- ABV
- 5.0
- IBU
- 35