忠実に再現することを試みたボヘミアンピルスナーを作りました。もちろん、あの、世界で一番有名なボヘミアンピルスナーの銘柄を意識しています。完璧に再現した現地チェコのピルゼンの超軟水を仕込みに用いました。それにより、柔らかく、シャープで、繊細な口当たりや、のど越しを表現しています。このスタイルはジャーマンピルスナーに比べて、幾分ボディが強く、モルトの甘みが感じられて芳醇ですが、釣り合いをとるように、高めの苦味（IBU）が味わいの均衡を保っていて、全く飲み飽きないというのが、私たちがこのスタイルに持つ印象です。さらに、現地で飲めるという無濾過のボヘミアンピルスナーは格別だと言います。残念ながら、このような状況もあり、私たちが現地で本物を飲むのはしばらく先の未来になりそうですが、私たちはこれを再現することができます。自分たちで作ってすぐに飲んでみたかったというのが本音かもしれません。この「奇跡のバランス」と、「無濾過でありながらクリアネス」を実現するということはブルワーにとっては難しい目標設定でもありますが、腕試しをするには最適なスタイルだと思います。クラフトブルワリーが大手の銘柄やスタイルをなぞる意味について、反対の意見を持つ方もおられることと思いますが、私たちは「多種多様なビールを作る」という理念を創業以来、掲げております。故に、ボヘミアンピルスナーも例外ではなく、挑むべきスタイルであり、むしろこのような難しいスタイルにチャレンジすることは、技術や知識に磨きをかけることに繋がると信じています。本家の哲学を尊重し、作り上げた、無濾過でクリアネスなボヘミアンピルスナーで潤いください。