California Boys

West Coast IPA

久しぶりにコニファーのようにパイニーで、クリアネス&ドライでキレキレなWest Coast IPAです。使ったホップの約半分は上富良野産ホップです。それでも、フレーバーの強度において、満足いくものを作るにはアメリカのスターホップを使わざるを得ません。忽布古丹醸造では地元産ホップの比率が年々上がっており、今では3回に1回の仕込みは地元産ホップ100%で行っています。もちろん、海外の突出したホップを使う喜びや楽しさは私たちも同じく持ち合わせています。しかしながら、それだけではいけない気がしているのです。海外産の素晴らしいホップの最高品質のロットは、現地のブルワリーが直接ホップ農家に足を運んで買い付けています。日本の多くのブルワリーはそのような経験をしたことがありません。また、価格の交渉の余地もなく、例えば今の価格の倍の金額に高騰してしまったとしても、私たちはそれを購入するしかないのです。それによって、最終的に高い金額を払わなければならなくなるのは、ビールを愛する皆さんです。私たちは、シンプルに「この土地のホップで醸したい」という思いで、上富良野という地に集まりましたが、今はもう少し大きな目標を持たなければいけない気持ちでいます。ここ上富良野町で私たちは、生産者と対話しながら、目の前で育ったホップを使う恩恵に預かっています。自社のビールをつくるのに、すべて地元産ホップで賄うという目標もそこまで遠いゴールではなくなってきています。その先にあるものは、海外産ホップに匹敵するようなフレーバーを持つ新品種の開発や、他の国内ブルワリーが日本産のホップを選べる選択肢や環境を整えていくことに繋がっていくのかもしれません。兎にも角にも、国産ホップと海外産ホップの間に産まれたこのIPAが、いつの日か国産100%で醸せるように、私たちは忽布古丹醸造にしかできない方法で世界と戦っていきたいと思います。

 

ABV
7.5
IBU
72