不文律

California Uncommon

今回は忽布古丹醸造の創作ビアスタイルを「California Uncommon(カリフォルニア・アンコモン)」と名付けました。元になったオリジナルの「California Common」というビアスタイルは、ラガー酵母をエール酵母並みの高い温度で発酵させて造ります。別名「Steam Beer(スチームビール)」とも呼ばれます。諸説ありますが、非常に強い炭酸が溶け込んでいることが特徴で、これがスチーム(蒸気)という名前の由来の一つとされています。「Steam Beer(スチームビール)」という名前は、現在ではアンカーブルーイングが商標登録をしているため、他の醸造所は「California Common(カリフォルニア・コモン)」と呼んでいます。モルトの香ばしさとフルーティなエステル香が特徴で、飲みやすくドリンカビリティの高いビールです。California Commonは、19世紀後半にカリフォルニアで発明されました。当時は冷蔵設備がなかったため、ラガー酵母をエール酵母のように高温で発酵させるという独自の方法で造られました。この方法は、ラガービールのキレとエールビールの複雑さを兼ね備えた独特の風味を生み出しました。この歴史あるビアスタイルの原型はそのままに私たちは少しの捻りを加えました。California Commonと言えば、「Northern Brewer(ノーザンブルワー)」ホップを使用して、「ウッディ」と「ミント」のフレーバーを奥ゆかしく効かせるのがセオリーですが今回はその暗黙の了解を無視しました。「ウッディ」は「Chinook(チヌーク)」ホップで、「ミント」は「Meridian(メリディアン)」ホップを使って、それぞれのキャラクターを代用しました。Northern Brewerを単体で使用するよりも、より強く、複雑でモダンな仕上がりにチューニングできたと思います。Meridianで少量のドライホッピングを行なったことも「一風変わった(Uncommon)」捻りになったのではないでしょうか。あまり人気のないニッチなビアスタイルなので、こんなラガーを好きになってしまったものなら、次に出会う機会は相当少ない厄介なラガーです。

ABV
6.0
IBU
45