がっぷり四つ

American IPA

IPAはお好きですか?
私は大好きです。一言にIPAと言ってもその種類は多岐にわたりますが、今回はセッションでもダブルでもヘイジーでもない、私が愛してやまないWest Coast Style IPAを醸しました。
忽布古丹では、ビールの説明で使用したホップの品種を明記することは控えめにしています(海外産ホップの場合)。なぜかというと、どうしてもビールの説明ではなく、ホップの説明になりがちな気がするからです。裏を返すと、多種多様なクラフトビールをつくる上では、ホップの存在、そしてその品種数は非常に偉大な存在である、ということだと思います。
IPAのように、ホップのキャラクターを全面に表現するビールの場合、私は比較的シングルホップのレシピを好みます。そのホップの特徴を存分に楽しみたいから。しかし、よりビールの奥深さや、複雑かつユニークなアロマを楽しむために、複数のホップをブレンドするビールが現在は主流です。
今回、ブルワーに欠かせない「遊び心」を大切にしつつ考えたのは、私がお気に入りのワールドクラスのスターホップを2種選び、それらをガチンコで対決させるレシピです。あえて「ブレンド」という表現ではなく、今回は「対決」といった表現をつかいます。対決である以上、それぞれのホップ使用量や使用するタイミングも全く同じです。
一つは北半球代表、マンゴーや柑橘、パッションフルーツのような香りが特徴のホップ。もう一つは南半球代表、白ワインのような味わいや力強いフルーティさが特徴的なホップ。そしてどちらのホップにも共通する少しだけダンクなニュアンス。
アロマ、そして人気、名実ともにワールドクラスホップのガチンコ対決は、相撲に例えるならば千秋楽東西横綱優勝決定戦のまさに「がっぷり四つ」。東西ならぬ、南北横綱ホップ対戦の軍配はどちらに上がるのか。行司はあなたです。ぜひパイントグラスでグイっと飲み干して勝者を決めてください。
West Coast Style IPAならではのしっかりとした苦味、その苦味に引けを取らないほどに液体から溢れ出る鮮烈なホップアロマを存分にお楽しみいただけますと幸いです。

ABV
7.0
IBU
82