Ordinary bitterは、その名前にもかかわらず、それほど過度に「苦い」ものではなく、また、昨今の流行りであるホップ主体のビールと比べれば、対局に位置するクラシカルなスタイルであるため、あまりお見かけする機会も多くないのではないでしょうか。よって、「日常的」でもないというのが実情です。しかしながら、本来であれば仕事終わりの癒やしの一杯だったり、休日の午前からダラダラと飲むのにふさわしい一杯だったりする「低アルコール、低発泡性、そして、ほどよい苦味」が特徴のダンディズムなイングリッシュスタイルのエールなのです。
意外と、FREEDOMSでは初めての上富良野産ウィラメット100%のシングルホップの銘柄となりました。実は、ORIGINALSの【haskap:ハシカプ】も上富良野産ウィラメットをシングルで使っておりますが、これまでの使い方は、ハスカップの香味を引き立てる裏方的役割として使うことがメインでした。今回は、これまでのウィラメットの功績を讃え、はじめて上富良野産ウィラメットを主役として抜擢しました。ウィラメットらしい、奥ゆかしいハーブ系の香りと、アーシー(土っぽい)で、ウッディなフレーバーが心地よく、ボディはほんのり甘く、トーストのような風味を帯びており、まさに液体のパンと呼ぶにふさわしい仕上がりです。普段のエールイーストとは異なるイングリッシュエールを使用したことで、ドライになりすぎず、程よい甘みと、華やかな発酵香が鼻から抜けていくのがお分かりいただけることでしょう。穏やかで、優しく、時として大人の渋さを魅せるジェントルなビターエールは、男性にはもちろん、女性にも優しい味わいです。是非、大きなパイントグラスで、身を委ねるように、肩の力を抜いて飲んでもらいたいビールです。