Giselle(ジゼル)は有名なバレエの作品です。
この舞台では、村娘のジゼルが愛し合った相手に裏切られ、その悲しみで亡くなってしまいます。その墓がある夜の森、ウィリと呼ばれる霊になったジゼル。そこに訪れた恋人は、ウィリの女王ミルタから死ぬまで踊るよう強いられます。
しかしジゼルは愛する人を許し、彼を守るために踊り、朝日とともに消えてしまう…というお話です。
個人的には明るい香りが、すっきり鼻を抜けるというイメージの作品ではありません。
暗い森と、木の香り。その中に舞うジゼルの白い衣装は、現実味がなく、幻想のようです。
儚いほどドライなボディに、森のようなウッディな香りをまとったこのペールエールができたとき、自然とジゼルを思い出して、この名前をつけることにしました。
使用したホップに関しては、Talusというホップをメインに使用しています。ウッディなニュアンスと、ピンクグレープフルーツのような香りが特徴的と言われています。
実際に使ってみても、ウッディさ、それと共にライチやりんご、ほんのり桃のようなフルーティなキャラクターを感じます。親であるSabroほど強烈すぎず、クリーンでありながら、複雑なアロマを持っている、とても魅力的なホップです。
モルトにはマウスフィールの向上、アロマの保持の目的で、オーツ麦と小麦麦芽を使用していますが、濁ることはなく、しっかりと透き通っています。
口に含むと森のようなアロマの後にはライチ、りんご、桃が香り、ドライで、ほんのりビターなフィニッシュ。クリアな後味には透明感を感じます。
昼を謳歌する季節の裏で、夜の森の静けさ、冷たさを感じるこんなビールも素敵な対比ではないでしょうか。ぜひお試しください。
- ABV
- 6.5
- IBU
- 26