馳せ参ず

Session IPA

私たちのSession IPAはシングルホップで醸すことが多く、このSession IPAもまたアメリカン産ホップのStrata(ストラタ)の魅力を伝えるビールといえます。言葉でうまく説明できれば良いのですが、やはりご自身で飲んで体験頂くことに勝るものはありません。それでも、私たちの言葉でこのホップの魅力についてお伝えしたいと思います。【秘め事-(Vic Secret Single Hop)Session IPA-】の反響後、どうしてもシングルホップで伝えたい品種をもう1つ思い出して、駆け出すように仕込みました。この慌ただしい、前のめりな気持ちに力を貸してくれたのがノルウェーに伝わるファームハウスイーストのKveik(カーウィク)でした。高温短時間発酵に耐えることができる云わば「速醸」が可能な酵母です。通常のエール酵母なら1週間程度かかる発酵期間が、早ければ1日や2日で完了してしまうほど活発・旺盛さです。それでいてニュートラルな発酵特性のため、今回のようなシングルホップを試すのには最適な選択肢だったと言えます。通常のエール酵母よりも10℃以上も高い温度での発酵はビールの速醸を可能にするとともに、高温ドライホッピングという新しいオプションを私たちに与えてくれました。30℃以上の温度帯でのドライホッピングは過去に例がなかったため、非常に緊張しましたが、懸念されるホップの粗さなどは現れず、存分に溶け出したStrataのトロピカルフレーバーが遠慮なく弾けました。Strataホップのドライホッピングはこれまで低温も試したことがありますが、あきらかに高温との相性の方が良いことが分かったのも収穫の1つです。やや濁りのある外観で、Kveikの酸味の効いた発酵特性はグレープフルーツを搾った果汁をベースにしているかのようです。このホップの特徴であるストロベリーやバブルガムやグミのようなフレーバーも効いていて満足しています。慌ただしく、馳せ参じましたがクオリティは落としておりませんのでご安心ください。それでは、KveikとStrataの息の合ったセッションをお楽しみください。

 

ABV
4.5
IBU
38