「霹靂(へきれき)」は、かつてクラフトビールの世界を席巻した“苦いIPA”にフィーチャーして生まれたAmerican IPAです。最近はジューシーで飲みやすいスタイルが多くなり、強烈な苦味を持つIPAは少なくなりました。しかし、苦いIPAが美味しくないわけではありません。苦味に真正面から向き合うことは、ビールの奥深さを思い出させてくれる体験になるはずです。
メインに使用したのは、「C系ホップ」と呼ばれるCascade、Chinook、Centennial。それぞれ「C」の頭文字を持ち、グレープフルーツや柑橘、松脂を思わせる鮮やかなアロマでIPAの黄金期を築いた存在です。新世代ホップの台頭に押されつつありますが、決して色あせない魅力を持っています。今回は、C系ホップでつくった古典的な骨格を、現代の舌で立体化させるための橋渡しとして、ニュージーランド産のRiwakaというホップを加えました。白ブドウやライム、パッションフルーツのようなニュアンスがアロマの前半から現れ、後半のC系ホップらしいシトラス感とビターな後味へと繋ぎます。ニュージーランド産ホップのレジェンド、Nelson Sauvinほどの期待ができる新世代のホップが、このIPAに新たな彩りを添えています。
もし、かつての伝説的プレイヤーと現代の新星が同じフィールドに立ったらどうなるだろう。スポーツの世界では“夢の共演”として語られるようなIFの物語を、ビールなら現実につくれます。霹靂は、最強の組み合わせである「C系ホップ+苦いIPA」に、期待の新世代ホップ・Riwakaが手を取り合った、ドリームチームのようなIPAを目指しました。雷に打たれたような鋭い苦味と鮮烈な香りを、ぜひグラスの中で体験してください。
- ABV
- 6.0
- IBU
- 85