ここまでモルトが主役のビールは珍しいかもしれません。7種類のモルトをインスピレーションのままに組み合わせました。4つに大別することができる7種類のモルトは、それぞれ「ベースモルト」、「スモークモルト」、「ライモルト」、そして焙煎度の異なる4つの「スペシャリティモルト」に分けられます。ベースモルトはペールエールモルトをベースに組み立てているため、軽めのトースト香が主軸を成しています。特筆すべきは、燻製されたスモークモルトを使用していることです。スコッチウィスキーのように、鼻から抜くと土や煙のようなフレーバーが愉しめることでしょう。そこまで多くのスモークモルトを使っていないので、支配的な燻製香というわけではなく、どなたにも親しみやすい加減になったと思います。また、複雑性を持ったポーターを目指したため、ライモルトを採用して、スパイシーな風味をこのビールに宿しました。ドイツパンのような要素が生まれて、より味わい深くなったことに満足しています。焙煎度合いの違う4種類のスペシャリティモルトは、焦げ感やキャラメル感をビールにもたらしてくれますが、スモークモルトのスモーク感と、ライモルトのスパイシー感の良い繋ぎ役を果たしてくれていると考えています。それぞれの強い主張に圧倒されるように、8.0%もあるアルコール度数は息をひそめてお利口さんにしています。しかしながら、飲み込んでからはその限りではないかもしれません。今更ですが、上富良野産ホップは100%使用です。散々、難しい言葉で説明してきましたが、これは説明を必要とする方のために私たちの言葉で綴っています。言葉は時として、相手を煙に巻いてしまうこともあります。飲む方によって様々な感想や表現があるかと思います。それらすべてが正解です。皆さんのインスピレーションのままに、自由に捉えて、楽しんでください。
- ABV
- 8.0
- IBU
- 42