King Nothing

German Style Pilsner

約1年ぶりのジャーマンピルスナーです。私たちはこれまで多くの種類のラガーを作り分けることで、その多様性の魅力を確かめながら、皆様にもその面白さを伝えていくことに情熱を注いできました。ラガーと言っても、様々な種類があって、それぞれの歴史があり、数多ある原材料や醸造方法から、何十何百種類ものビアスタイルが作られます。このビールは、穀物の豊かな甘さと、ホップの苦さがバランスよく調和したゴールドからライトアンバーな色合いのラガービールです。ジャーマンピルスナーは世界中で愛されるラガービールの王道であり、飲みやすくて爽快な味わいは多くの人々を魅了してきました。例に漏れず、私たちもその虜です。ラガーの歴史においても王座に君臨しているビールと言っても過言ではないでしょう。今回の銘柄は、その味わいを支えてきたドイツの伝統的な醸造技術である「Decoction(デコクション)」という手法を採用し、よりトラディショナルな味わいの再現を試みました。この方法は「時間」、「エネルギーコスト」などを費やす手間のかかる醸造手法ではありますが、「メラノイジン」というアミノ酸と糖が加熱反応してできる成分が多く産生されて、独特で甘く香ばしい風味をビールにもたらします。ビール以外だと、味噌、しょう油、パン、クッキー、コーヒー、焼き肉、焼き魚などの茶色や褐色の食品に多く含まれる成分です。ホップは忽布古丹醸造で初めての「Hallertau Mittelfrüh(ハラタウミッテルフリュー)」という伝統的なドイツ産のノーブルホップを使用しました。花やスパイスのような優しい香りが特徴で、ドイツのピルスナーやラガーなどによく合うホップです。奇を衒うことなく、愚直なジャーマンピルスナーを作りました。品のある佇まいですが、威厳や威圧感はなく、むしろカジュアルで親しみやすい王様になってくれました。

ABV
5.0
IBU
28