柑橘系のキャラクターを持つホップたちは「C系ホップ」と巷で呼ばれているように、頭の文字が「C」から始まることが多いのは、ユニークな共通点です。このビールもまた「Cascade(カスケード)」、「Chinook(チヌーク)」、「Centennial(センテニアル)」、「Columbus(コロンバス)」、「Citra(シトラ)」という「C」から始まる柑橘の要素を持つホップたちを使用しています。さらに、その内、地元の上富良野産ホップは3分の1を占めています。上富良野産ホップは「Cascade」という品種で、その比率を引き上げていくと、今どきのホップのような果実の弾けるような鮮烈さはやや落ち着いてしまいますが、忽布古丹醸造の地元産ホップ100%で作っている定番【nonno-ノンノ-(Pale Ale)※「花」という意味】のようにシトラス&フローラルで、ハーバルな余韻の優しい性格に育ってくれます。実際に、このWest Coast IPAからはnonnoのようなキャラクターを垣間見ることができます。その他の性格を書き連ねていくと、グレープフルーツやパッションフルーツのようなフレッシュな酸味、皮ごと丸齧りのシトラスビター、やや土っぽいニュアンス、最後にトロピカルな後押しがあります。West Coast IPAを名乗る以上、しっかりドライ&ビターです。また、焙煎したカラメルモルトの使用を極少量に抑えています。ビールの外観からもそれはお判りいただけることでしょう。温度が上がってくる後半まで甘ったるくならないように気を付けました。且つ、薄っぺらくならないギリギリの麦芽の配合を狙ってみましたが概ね良好と言えましょう。飲食店でこのビールを注文するときは、小恥ずかしいかもしれませんね。照れながら注文するお客さんと、クスッと笑う店員さん、そんなコミュニケーションを想像するだけで、私たちもビアバーに行きたくなります。そんな楽しい時間のきっかけになることを願っています。
- ABV
- 7.0
- IBU
- 72