チェコから世界中のビールに変革をもたらした本家本元のあのピルスナーに敬意を表し、その歴史から製造方法に至るまで、いくつもの文献や資料をもとに研究を重ね、伝統的な銘柄の再現に挑んだのが今回のラガーになります。前回の挑戦から1年半の準備期間を経て、私たちのBohemian Pilsnerは「元祖」に近づくために、より一層の、様々な修正を行ないました。完成したビールのサンプルをグラスに注いだ瞬間、濃厚でクリーミーな白い泡立ちと、適度な炭酸を備えた明るく鮮やかな美しい黄金色の液体が流れ出てきた時に、私たちの緊張は歓びへと変わりました。このビールは、チェコの伝統的なホップ品種であるザーツホップを使って、花やハーブのアロマを香らせています。今回のザーツは本当に良いロットのものに出会い、原材料にも背中を押されたような気分でした。チェコはピルゼンの街の水質と同じく超軟水で仕込んだこのビールの口当たりは驚くほどに柔らかい口当たりの印象を持つことでしょう。このビアスタイルの最大の特徴であるモルトの豊かな味わいは「トリプル・デコクション」という膨大な手間と時間をかけて行われる伝統的な手法に支えられていますが、忽布古丹醸造にはそれを行なうための設備がないため、私たちはモルトスター(麦芽のサプライヤー)が提供する、旨味の詰まった特別なモルトを配合し、通常は行わないような長時間の麦汁の煮沸と組み合わせて、伝統的な味わいに近づけました。比較的高いIBUの設定にもかかわらず、モルトの豊かなフレーバーと相殺されて、バランスの取れた円やかな苦みが効きます。このビアスタイルにおいてはジアセチルと呼ばれるバター臭のようなオフフレーバーが許容とされていますが、忽布古丹醸造はこのオフフレーバーを許容しない価値観を貫き、徹底的に消失させることに徹しました。パンのように豊かなモルトの風味、飲みごたえのあるフルボディ、ホップのノーブルな味わいが香る私たちのフレッシュなBohemian Pilsnerは胸を張って日本中に送り出せる仕上がりになりました。
- ABV
- 5.0
- IBU
- 40