ヨーロピアン・ダークラガー、皆さんにはあまり馴染みのないビアスタイルかもしれません。
このビールは、ドイツやチェコなどヨーロッパを中心に造られる濃色の下面発酵ビールで、色合いはアンバーからダークブラウンまでと幅広い色合いで表現されるビールです。ミュンヘンモルトやカラメルモルトを使用することで、麦の甘みや香ばしさを強調したり、またローストモルトをブレンドすることで、チョコレートやコーヒーのようなアクセントをつけたりと、モルトの豊かな風味を楽しむことができるビアスタイルです。
そのため、このビールはホップの苦味や香りが主張しすぎることは禁物。
モルトの甘味とホップの苦味のバランス、モルトの風味とホップのアロマのバランス、この2つが絶妙のバランスを保つことで、一体感のある綺麗なダークラガーを楽しむことができるのです。
今回使用したホップは、忽布古丹醸造のオリジナル品種ホップ「HKB001」。このホップは、最近はやりのトロピカル系でもなければ柑橘系でもなく、アーシーで土のような香り、松や杉のような香り、また若干ココナッツ風の香りが特徴のホップです。このHKB001の特徴と積極的に組み合わせてみたいと思ったビアスタイルが、今回のダークラガー。ミューニックモルトの風味、ローストモルトのシャープで優しい苦みとHKB001のアーシーなアロマは、想像以上の素敵なペアリングとなり、派手さは無くとも、安らぎと落ち着きを与えてくれる「癒し系」ビールに仕上がったと思います。ぜひこのダークラガーで、原料が織り成すビールの奥深さを感じていただけると嬉しく思います。
クラフトビールはとにかくホップが主役で、クラフト=ホッピーといったイメージが強いと思います。ですが忽布古丹醸造は、モルティなビールも大好き。今後のクラフトビールはホップ一辺倒ではなく、もっとモルトやバランスにもフォーカスしていく必要があると感じています。また、ホップを全面に出すことだけがホップの使用法ではありません。モルトを際立たせるための「名脇役」としてのホップの使用法、そのようなアプローチからもホップの存在感を感じ取っていただき、偏りのない多種多様のクラフトビールの世界をお楽しみいただけますと幸いです。
で、Prologue?とは・・・