白に染めろ

Belgian Wit

3回目のBelgian Witへの挑戦です。今回のアプローチは「再現」ではなく、「再構築」。よりモダンなBelgian Witですが、エクストリームではありません。麦わら色のイエローゴールドの外観と、こんもりとリッチな泡のヘッド。オレンジピールはこれまでのミカンの皮から、ビターオレンジの皮に変更し、より強い柑橘感が現れたように思います。このスタイルの特徴である副原料のコリアンダー、そしてオレンジピールですが、実はこれらの原材料が独裁的になることは従来のスタイルにおいては御法度とされています。しかしながら、今回は両副原料を発酵初期から後発酵まで充分な時間浸け込み、存分にそのキャラクターを引き出しています。また、このスタイルのオプションとして使用されるオーツ麦を採用することでクリーミーな口当たりを手に入れました。これは、パリッとドライなこのスタイルの物足りなさの部分を補完する上で必要不可欠でした。最後に、「このスタイルにアメリカンホップは適さない」という忠告がありますが、これを破ることに躊躇いはありませんでした。具体的には、柑橘感を下支えするために、上富良野Cascade2020年産を、煮沸最終期に投入するコリアンダーやオレンジピールよりもさらに後入れして、苦味を抑えながら柑橘のキャラクターを増強しています。軽やかなモルトの甘さと酸味、柑橘にも似たコリアンダーのスパイス感と、オレンジピールの果皮香、それにホップの柑橘フレーバーが合わないはずがありません。とても素敵な仕上がりになったと思います。

ABV
5.0
IBU
15