表現するなら「花」、「ハーブティー」、「酸味の強くない柑橘」。際立った存在にばかり注目が集まるこの時代には早すぎたか、遅すぎたか。もしくは、今まさに必要とされる存在だとしたら嬉しいです。「鮮烈」とは程遠く、適切した言葉を選ぶなら「癒し系」。シングルモルト・シングルホップで醸したこの優しいペールエールは、ペールエールモルトとCentennial(センテニアル)ホップを採用しています。Centennialは、アメリカで開発されてから約50年、リリースされてから約30年が経った品種ですが、近年では熱や発酵に耐えられる可溶性化合物が高濃度で含まれているということで、再注目されている「遅咲き」のホップでもあります。マイペースな発酵と、ゆるりと飲むのにふさわしい味わいからも、この名前が相応しいビールだと思いました。イングリッシュペールエールのような面影すら残っているかのようです。強めの炭酸と低めの温度ではアメリカンな表情を、時間が経って温度が上がってくるとイングリッシュな表情が見られると思います。また、「スーパーカスケード」と呼ばれるだけあって、上富良野産「Cascade(カスケード)」をシングルで使用したHOP KOTAN ORIGINALSの定番【nonno-ノンノ-(Pale Ale)】とよく似ています。飲み比べをすると、CentennialとCascade両方のキャラクターや特徴を理解できるかもしれませんね。気分が乗らないときに調子を上げる一杯、自宅で本を読みながらゆるく飲む一杯、お気に入りの優しい音楽を流しながら楽しむのにふさわしい一杯です。
- ABV
- 5.5
- IBU
- 30