Belgian Wit(Witはベルギー語で「白」)は、無濾過で、小麦を使って醸造しているため、淡く濁った外観を持つベルギースタイルのエールです。通常このスタイルでは、コリアンダーとオレンジの皮が効いており、炭酸ガスの溶け込みが高いため、独特の爽やかな風味とパリッとした口当たりが特徴です。このスタイルでは、過去に一定の納得が得られる銘柄を作ることができたため、私たちの意欲は「創作」へと切り替わりました。創作的なBelgian Witの一回目が前回の【柚子道楽-Japanese Style Belgian Wit-】でした。この銘柄では、オレンジピールもコリアンダーも使わずに、柚子皮と和山椒を代用したことで、「和テイスト」なBelgian Witを作ることができました。ベルギービールの伝統にとらわれない自由なビールづくりの懐の広さに胸を借りて、喜びを覚えた私たちの二回目の悪戯は、「酢橘(すだち)」ととある香辛料を使ったBelgian Witです。原材料を見てしまえば、答え合わせができてしまいますが、先入観が入る前に是非口に運んで頂きたいです。先に原材料を見てしまった方も、そこまで構えずに騙されたと思って試して頂けたら嬉しいです。すだちの濃縮果汁による酸味と、すだちの皮による青い柑橘の香り、そして僅かに香るスパイシーでソルティーなラストノート。私たちも全体像が見えてくる前は、期待よりも不安が上回っていましたが、私たちの不安をよそに、「酢橘白書(Sudachi White Paper)」と名付けたこのビールは、口の中をサッパリさせるような軽やかな酸味と、すだちのグリーンシトラスな青々とした柑橘フレーバー、そして香辛料のアクセントが効いた、バランスの良いビールとなってくれました。きっとこのビールは塩気の効いたおつまみや、ラーメンや餃子との相性もすこぶる良いことでしょう。
- ABV
- 5.0%
- IBU
- 18