ここ上富良野町から誕生したホップ、Sorachi Ace（ソラチエース）の娘がアメリカで誕生したというニュースを知ったときは大変喜ばしく思いました。その名も「Luminosa（ルミノサ）」です。このホップを開発した米国オレゴン州のIndie Hopsは、実績のあるホップ農家と直接契約して、クラフトビールのための優れたホップのアロマとフレーバーの開発に取り組んでいるホップサプライヤーです。今回はIndie Hopsの新品種「Luminosa」と、Indie Hopsの傑作「Strata（ストラタ）」を使用したIndie HopsなIPAです。ホップの説明に記されている「オレンジピールの砂糖漬け」という表現は非常に印象的でした。そのスペックを強調したかったため、普段はあまり強めに効かせないカラメル麦芽の風味を効かせることでLuminosaのフレーバーを下支えする麦芽の配合にしました。使用したほとんどのホップはLuminosaがメインですが、最後にStrataの性格を重ねてLuminosaには持っていない表現を補い、このIPAに更なる彩りを加えました。酸味があるフルーツのように鮮烈でキレのあるフレーバーではありませんが、熟したオレンジ、メロン、ストロベリー、ダンクなフレーバーと、柑橘の果皮を齧ったようなビターフィニッシュを楽しめます。普段私たちが好んで作るドライでしっかりビターなAmerican IPAと比較すると、甘みと苦みのバランスが取れた「たおやか」な仕上がりになったと思います。Luminosaには、ほとんどの「強烈」なホップに伴う樹脂や松の特徴がほぼ完全に含まれないとされていますが、実際に使ってみてその説明が真実であることが分かりました。ペールエールやヘイジー系にも合いそうですね。IPAというフィルムの1コマにLuminosaを、２コマ目にStrataをふわっと重ね写した明るい印象のIPAをお楽しみください。