TOKI TOKI

American Brown Ale

今回は、私たちの醸造所を構える上富良野町からも近い、北海道の第2都市である旭川に、今年からお店を構えた「-Freehouse-THE YEAST」のオリジナルビールを仕込みました。彼らは、元々ブルワーおよび醸造スタッフの経験があり、レシピの細部までお互いに意見を出し合い、彼らのバックボーンやストーリーを宿したBrown Aleを作りました。また、瓶Ver.のデザインは、通り行く人が思わず足を止めてしまうほど、ポップで可愛らしい外観の彼らのお店の外壁デザインを手掛けているフランス出身デザイナーDéborah(デボラ)が担当してくれました。普段とは一味違う、可愛らしい瓶デザインも是非お楽しみください。
さて、今回は解釈の余地のあるAmerican Brown Aleという懐の深いスタイルを私たちなりに自由に再検討し、アメリカンホップを使用せず、彼らの過去と現在に深く関係のあるニュージーランド、イングランド、そしてフランスの3ヶ国のホップのみを使用しています。ビールの名前はニュージーランドの先住民マオリの言葉からtokitoki(トキトキ)=「落ち着いた、緩やかな」がこのBrown Aleにマッチしていることから名付けられました。詳しいストーリーについては是非、彼らのお店に足を運んで直接話を聞いてみてください。
モルトの特徴はキャラメル、ビスケット、ナッツの風味と香りに満ちており、ホップは落ち着きのあるビター感を漂わせています。4.5%の低アルコールということもあり、残した糖分の割にスッキリとドライな飲み口で、ゴクゴクと飲めてしまいます。しかしながら、先に説明したような特徴は、ビールの温度の上昇とともにより際立ってきます。是非、グラスの側面を両手の掌で覆って、少し温めてから飲んでみてください。また別の穏やかな表情を見せてくれることでしょう。さらに、通常はBrown Aleでは行わないドライホッピングを施しました。採用したのは、フランス産の新しい品種で、面白い特徴を持つElixir(エリクサー:エリクシール)というホップ。このひねりがBrown Aleにタンジェリンのようなシトラス感と、シガーあるいはタバコを想わせるダンディなエッジをもたらしました。質素で落ち着いた飲み心地で、ちょっぴり大人の渋みを伴う、チルい柑橘感が穏やかな波のようにさざめくでしょう。

ABV
4.5
IBU
29