太陽を欺くかのごとくクリアネスな外観と、空に浮かんだ雲のようなこんもりとした泡。苦味が捉えられるようで捉えられないそんな疑問と、抜群の清涼感の秘密。それは、ある特殊な製法による苦味ゼロ手法に由来します。ホップは熱が加えられることで苦味を呈しますが、私たちは今回、ホップにほとんど熱を加えずして、苦みやエグみを抑えながらも、フローラルやシトラスのアロマ、そしてフレーバーだけを引き出すことに注力しました。ただし、なかには苦味に近いテイストが感じられる方もいるかもしれません。それは、ホップに含まれるポリフェノールなどの渋みをともなう成分などが含まれているからだと考えられます。故に、苦みや渋味の知覚がゼロというわけではございません。それでも、他のビールと飲み比べるとあきらかに苦味の質が違うことにお気づきなるかと思います。自由で多種多様なクラフトビールの世界は苦味が苦手な人にとっても寛容であるべきだと考えています。いつもであれば、舌に残るのはビターな余韻であることが多いビールという飲み物ですが、今回はホップがもたらした華やかで味わい深い香味がいつまでも漂うことでしょう。極端な存在でありますが、ある意味、新時代のラガーなのかもしれません。また罪深いほどドリンカブルなラガーを作ってしまいました。
- ABV
- 6.0