浮世離れ

Helles

「Helles(へレス)」とは「色が薄い、淡い」ことを意味します。へレスは一言で言い表すと「モルト(麦芽)を愉しむビール」です。
大麦麦芽が主体のスタイルで、ほんのり甘いトースト感や穀物の風味をメインに楽しむことができます。昨今の極度にホッピーなビールとは「一線を画したスタイル」とも言えます。見た目はまさに淡く、綺麗な薄金色です。食事と合わせるのに、非常に用途が広いこともこのスタイルの魅力の一つです。IPAをはじめとした、苦味が際立ったビールに馴染めない方には、たいへん慈悲深きビールとなるでしょう。同じ淡色ラガーのピルスナーとの違いが分かりにくいかもしれませんが、ホップの苦味やキャラクターはピルスナーに比べて、より控え目で、少しボディがあり、やや丸みを帯びているという印象です。
作り手目線としても挑戦し甲斐のあるスタイルで、適切な温度管理や、酵母の生育状態に注意深く目を向けて対応してあげなければ、すぐに減点要素が出てしまいます。当然、淡いビールの中では少しの雑味であっても、際立って感じられてしまうものです。よって、いかに減点要素を排除していくかが、虚飾を排した綺麗なへレスを作るためのカギとなるのです。私たちも、果たして何回、温度計に目を向けたことでしょう。目の離せない、手のかかる子でした。注いだ愛情の分だけ、優しく、慈しみに満ち溢れたへレスに育ったと思います。世の中の流行りや動向に無頓着で浮世離れしたへレスというスタイルですが、モルトのホッとする味わいが、日頃のストレスや煩わしさから解放してくれることでしょう。

ABV
5.0
IBU
18