これだけ多くのビアスタイルに挑んでいてもまだまだ試したことがないビアスタイルが山ほどあります。今回もまた忽布古丹醸造が初めてチャレンジしたビアスタイルになります。その名は「Doppelbock(ドッペルボック)」。ドイツ発祥のハイアルコールのラガービールで、色合いは銅色から濃色までさまざまありますが、私たちのDoppelbockはダークブラウンの色合いに仕立てました。「Doppel」は「Double」と同じ意味を持ちます。ビールの世界では通常よりもステータスを高めたものに「Double」などの表記を冠することが多いのですが、必ずしも「倍」という意味を示しているわけではありません。それでも、このビアスタイルは通常のボックよりも力強く、リッチで、非常にモルティな味わいが特徴です。しっかり焼いたトーストのような穀物感、キャラメルやチョコレートの甘くて香ばしい味わいは、食事に等しい満足感すら覚えることでしょう。ホップのフレーバーは目立たないビアスタイルですが、少しの捻りを加えてみたかったため、通常は使用しないアメリカンホップの「Chinook(チヌーク)」という品種を使いました。ホッピーなビールにしたかったというわけではなく、松脂などの樹脂感の強いこのホップの特徴を少しだけ取り込むことで、Doppelbockの力強いモルトの味わいに拮抗できるエッジを加えることが狙いでした。これにより、大きなサイズのグラスで飲んでも、最後まで飲み飽きないバランスを生み出すことができたと思います。ゴクゴクと喉を鳴らして飲むラガーも美味しいですが、このビールを通して、贅沢で味わい深いハイアルコールのラガーもあることを知ってもらえたら嬉しいです。
- ABV
- 8.0
- IBU
- 30